文化と考え方を理解することが重要
キャリアフライインタビュワー(CF): 自己紹介をお願いできますか。
マイ サイド アッズーズ アブゼード氏(マイ氏): マイ サイド アッズーズ アブゼードと申します。エジプトのカイロ出身、25歳です。カイロ大学で4年間日本文化と日本語を学びました。日本で生活することはその時から目標でした。趣味は、読書です。
CF: 日本を知るきっかけは?なぜ日本に興味を持ったのですか?
マイ氏: 高校生のとき、日本文化と歴史について知る機会がありました。戦時中、原子力爆弾により大打撃を受けてから50年で再び発展した歴史を知り、とても心動かされました。それから、日本の人たちの思考性や行動する(働く)ことに対する核となるモチベーションは何なのか知りたいと思いました。日本の方々が培った素晴らしい文化に溶け込みたい気持ちでいっぱいでした。
CF: そうなのですね。来日はいつされましたか?
マイ氏: 少し前に1年間滞在しました。そして、その後再び来日し、佐藤ホールディングスで一年間インターンを経験しました。
CF: 合計2年ほど生活する中で、マイさんが知りたい日本のことについて知ることはできましたか?
マイ氏: 初めて来日したときの一年間は、全てが新しく、私にとって初となる海外生活のため全てが素晴らしかったです。その後のインターンシッププログラムを通じて、言語習得や歴史背景を理解することがさほど大切に思わなかったです。文化や精神(思考性)を学び理解することが重要なのだと思うようになりました。もちろん、言語習得なども大切ですが、上述したことの次に大切なことなのだと思います。
二つ目に感じたこととして、日本の方々はとても働くことが大好きな印象を持っていました。が、違いますね。笑 働くことは社会から求められている。ひとりひとりがたくさん働き会社と社会に貢献することが、日本の発展に繋がる、そのような意識で働いている方々を見て少し印象が変わりました。
日本の人たちの働き方が好き
なぜならば、、、
CF: 日本のことは好きですか?
マイ氏: はい、日本のこともも日本の方々の働き方も好きです。仮に仕事が好きでなくても、しっかりコミットして仕事を行う姿勢が素晴らしいです。ここは私が好きで尊敬する姿勢のひとつです。何が好きか嫌いかをよくわかっているなぁと感じます。
”今できるベストなことをする!そうすればやりたいことが見つかるかもしれない”このモットーがお気に入りです。
CF: ところで、現在の会社はいつから働き始めたのですか?
マイ氏 : ちょうど先月の6月に入社しました。結婚もしました!
CF: おめでとうございます!
マイ氏: 有難うございます。
CF: どのようにして今の会社を見つけたのですか?
マイ氏 : 主な仕事は外国籍人材の採用に関わることと言われていましたが、現在のトレーニング期間では会社の受付を担当して会社のことを学んでいます。
今は、レセプション業務を楽しく取り組んでおり、研修期間が終わったら先述した通りの職務につく予定です。今の仕事が大好きでここからキャリアをスタートさせた新鮮な気持ちです!
CF: 日本で様々な経験をすることは何をもたらしますか?
マイ氏: そうですね。まずメリットからお話します。
メリット: 他の国と違い日本では目に見えて大きな社会格差は感じられません。他国、例えば母国エジプトでは簡単にお金を稼ぐことができますが、日本の方々の生活水準は基本高く余裕があります。私にとってその雰囲気がとても心地よいです。
次に、コンビニについてです。いつでも簡単に買い物ができます。どこにいてもどこに行っても、いつでも何でも買えてしまう。この24時間いつでも便利に買い物できることは世界各国当たり前かというとそうではないです。日本国内どこに行っても全て見つかるこんな手頃で手軽なことはないです。
他国では、買いたいものをどこでもかえるわけではないです。母国エジプトは家電製品が高く、稼ぎが多い人は購入できますがそうでない人は困難です。日本では、家電製品も手頃な価格で稼ぎのある方々であれば買えてしまいます。
3つ目のメリットは、外国籍であることを忘れてしまうことです。日本語を活用でいることがプラスに働いていると思いますが、それでも私の周りにいる方々の暖かい振る舞いがとても心地よく母国にいるような気持ちにさせてくれます。
デメリット: これは過去日本文化を学んでいるときに目にしたことですが、日本文化慣習として他の人に合わせることが求められるということです。いわゆる村社会の一員として人と異なる意見や振舞いをしない方が良いということです。例えば、同じ食べ物を食べる、同じような服装をするなど。
この考え方の影響により、私自身自分のアイデンティティが失われるのではないかという怖さを感じます。ドイツ国籍とイタリア国籍の友人も同じことを言っていました。数年後、日本の方々が考えるような思考性や行動をとるかもしれません。少しだけ心配です。
また、日本の方々はいつも”すみません”と言います。理由もなく、まずは謝る場面を目にすることもあります。そんなに謝らなくてもいいのにな、と思うこともあります。
CF: そんな日本文化の傾向があるため、キャリアフライは外国籍人材サービスを通じてダイバシティ醸成を図り日本文化に変化をもたらしたいと考えています。マイさんが本当に良いロールモデルです!
外国籍の方々にとってもっと日本での生活や仕事を簡単にしたい
CF: 日本での生活で良い点を2つ挙げるとしたら?
マイ氏: コンビニとトイレです。この二つは日本を特別な国としています。笑
CF: 今後どれくらい日本にいる予定ですか?
マイ氏: 60歳になるまでいたいです。私がおばあちゃんになるまで。笑 ただ、最近結婚したので将来のことは正直わかりません。現時点では、私もパートナーもできる限り日本にいたいと考えています。
永住権も獲得したいですね。日本への帰化も夢ではないです。取得することは難しいですが、いつか日本のパスポートを持ちたいです。
CF: これからどのようにキャリアフライ (飛躍)していきますか?
マイ氏: まずは、会社で外国籍人材の採用に関わっていきたいです。私の経験などを伝えながら、外国籍の方々を導きサポートしていくことができたらとても嬉しいです。日本でもそうですが、エジプトでも様々な困難に直面してきました。また、言語を学ぶ大変さも経験しています。彼らの目線にたち、日本でのより良い生活や仕事を実現することに貢献したいです。
CF: 素晴らしいですね。ところで、マイさんは日本企業で働く経験から日本企業の良さをご存知です。一番良い点を教えていただけますか。
マイ氏: 責任感高く誰もが仕事をしていることです。さらに、ミスをしたときにきちんと謝罪することも良い点だと考えています。何もミスをしていないときに謝罪することは良いと思っていません。ただ、ミスをしたときにミスを認め素直に謝ることができる姿勢に対して尊敬の念を持っています。
CF: これまでに残業することに対するプレッシャーについて感じたことはありますか?
マイ氏: ないです。大成では時間になると帰るよう促されます。終業時間が5分すぎただけでも早く帰るよう言われます。笑
CF: とても良い会社ですね。
マイ氏: はい、本当に。
*マイさんが手書きで書いたインタビュー原稿
あなたらしくいること、そして着実に夢をかなえるべく一歩一歩進む
CF: ではワークライフバランスも良いですね?
マイ氏: はい。すぐに会社に慣れることができました。休みもきちんと取れています。お陰で婚姻届を出したり、引越しの準備もすることができました。
CF: これから日本でキャリアフライしようとする外国籍の方々へ何かアドバイスはありますか?
マイ氏: そこまで頑張りすぎず、焦らず!あなたなりのペースでいろいろ歩を進めることです。そうすれば徐々に学ぶことができ、できる限りたくさんのことを吸収するでしょう。あなたらしさを大切にすることが大事です。
外国籍の方々はすぐに成果を出そうと頑張りすぎてしまい、体力的に大変になることもあります。ミスを恐れず、一つ一つ取り組んで成長していきましょう。
CF: 自分らしさを持つこと、とても重要ですね。マイさん、素敵なアドバイスを有難うございました。今後のご活躍を祈念しています。
キャリアフライよりタクマ 大成社よりマイさん
大成株式会社
マイ サイド アッズーズ アブゼード氏 Mai Sayed Azzoz Abuzied
エジプト出身。カイロ大学在学中筑波大学へ交換留学生として初来日する。好奇心旺盛な性格から在学中多くのアルバイトを経験。翻訳通訳、飲食店での接客業務など多岐に渡る。大手メーカー人事部にて1年間インターン経験後、大成株式会社に入社。3カ国語と高いコミュニケーション力を活かし同社にて活躍中。