「外国人材の採用に興味はあるけれど、何から始めたらいいかわからない…」
「複雑そうで一歩踏み出せない…」
中小企業の経営者様や人事担当者様から、このようなお声をよく耳にします。少子高齢化が進む日本では、労働力不足が深刻化しており、外国人材の活用は企業の成長戦略として不可欠になりつつあります。
しかし、日本人材の採用とは異なる手続きやルールがあるため、戸惑うのも当然です。ご安心ください!今回は、中小企業が外国人材をスムーズに雇用するための「外国籍人材雇用ロードマップ」を、分かりやすく解説します。このロードマップに沿って進めれば、外国籍人材採用への道筋がきっと見えてくるはずです。
ステップ1:採用計画の立案 – どんな人材が、なぜ必要なのか?
まず最初に、「誰を、どのような目的で採用するのか」を明確にすることが重要です。
- 1. 必要な人材像の明確化:
- 職種・業務内容: どんな仕事を担当してほしいですか?(例:ITエンジニア、製造ライン作業員、介護士、飲食店スタッフなど)
- 必要なスキル・経験: 専門技術、特定の資格、実務経験などは必要ですか?
- 日本語能力: どの程度の日本語力が必要ですか?(前回の記事「外国籍人材の日本語力はどこまで必要?」も参考にしてください)
- 国籍: 特定の国籍に限定する理由があるか、または多様な国籍から検討するか。
- 2. 採用目的の明確化:
- なぜ外国籍人材が必要なのか?(例:人手不足解消、グローバル展開、新技術導入、社内の多様性推進など)
- 外国籍人材に期待する役割や貢献は?
この段階で具体的なターゲットを絞り込むことで、後の採用活動がスムーズに進みます。
ステップ2:外国籍人材雇用に関する情報の収集と準備 – 法令と受け入れ体制
次に、外国籍人材に関する基礎知識を身につけ、受け入れ準備を進めます。
- 1. 在留資格(ビザ)の理解:
- 外国籍人材が日本で働くためには、目的に合った在留資格(就労ビザ)が必要です。主な就労ビザには「技術・人文知識・国際業務」「技能」「特定技能」「特定活動(特定活動46号など)」などがあります。
- 採用したい人材の職種やスキルに応じて、どの在留資格が適切かを確認しましょう。
- 重要ポイント: 不法就労とならないよう、必ず就労可能な在留資格を持っているか、または取得できる見込みがあるかを確認することが必須です。
- 2. 労働条件の確認:
- 外国籍人材の労働条件は、日本人と同等以上でなければなりません。給与、労働時間、休日、社会保険などの待遇を日本人と同等に設定しましょう。
- 労働基準法など日本の労働関係法令を遵守する必要があります。
- 3. 受け入れ体制の整備:
- オンボーディング計画: 入社後のスムーズな受け入れのための研修や生活サポート(住居、役所手続きなど)。(「外国人労働者の定着率アップ!中小企業で実践できるオンボーディング戦略」もご参照ください)
- 社内環境の整備: 多文化共生に向けた日本人社員への啓発、コミュニケーションの工夫、相談窓口の設置など。
- 必要な場合は通訳・翻訳の準備: 日本語能力が十分でない場合、円滑な業務遂行のために検討しましょう。
- 4. 専門機関への相談検討:
- 不安な点が多い場合は、外国籍人材雇用を専門とする行政書士、社会保険労務士、または外国籍人材紹介会社(キャリアフライジャパンなど)に相談することをおすすめします。複雑な手続きや法務に関するアドバイスを受けられます。
ステップ3:採用活動の実施 – 外国籍人材との出会い
いよいよ実際に外国人材を探し、採用活動を行います。
- 1. 募集方法の選択:
- 外国籍人材専門の求人サイト: 外国籍人材が利用しやすい多言語対応のサイト。
- 外国籍人材紹介会社: 貴社のニーズに合った人材を紹介してくれる専門エージェント。面接設定やビザ申請サポートまで行ってくれる場合が多いです。
- ハローワーク: 一部のハローワークでは、外国籍人材雇用に関する相談窓口や求人情報の提供を行っています。
- SNS・リファラル: FacebookなどのSNSでの呼びかけや、既存の外国籍社員からの紹介も有効な場合があります。
- 2. 面接・選考:
- 日本語でのコミュニケーション能力だけでなく、仕事への意欲、異文化への適応力、長期的なキャリア志向なども確認しましょう。
- オンライン面接を活用すれば、遠隔地の候補者とも効率的に面接ができます。
- 3. 内定・雇用契約:
- 内定を出す際は、労働条件を明確に提示し、雇用契約書を作成します。
- 雇用契約書は、外国籍人材にも内容が理解できるよう、必要に応じて母国語での説明や翻訳を行いましょう。
ステップ4:在留資格の申請と入社手続き – 雇用開始に向けて
採用が決まったら、最も重要な手続きである在留資格の申請を行います。
- 1. 在留資格認定証明書交付申請(日本にいない場合):
- 外国籍人材が海外にいる場合、企業が日本の入国管理局(地方出入国在留管理局)に「在留資格認定証明書」の交付を申請します。
- この証明書が発行されると、外国籍人材は自国で査証(ビザ)を申請し、日本に入国できるようになります。
- 必要書類が多いため、不備がないよう慎重に進める必要があります。
- 2. 在留資格変更許可申請(日本にいる場合):
- すでに日本にいる外国籍人材(留学生など)を雇用する場合、現在の在留資格から就労可能な在留資格への変更申請を行います。
- 3. 入社手続き:
- 入社時には、雇用保険、社会保険、住民登録などの手続きを忘れずに行いましょう。
- 外国籍人材向けに、日本の社会システムや生活ルールに関する情報を提供すると親切です。
ステップ5:採用後のサポートと定着促進 – 長く活躍してもらうために
外国籍人材の雇用は、入社がゴールではありません。彼らが貴社で長く活躍するためのサポートが不可欠です。
- 1. オンボーディングの実行:
- 入社時に計画したオンボーディングプログラムを実行し、新しい環境への適応を支援します。
- 定期的な面談を通じて、仕事や生活で困っていることがないかヒアリングし、サポートします。
- 2. 日本語学習支援とキャリアアップ支援:
- 業務に必要な日本語力の向上をサポートする制度を継続的に提供します。
- 外国籍人材のキャリア志向を尊重し、スキルアップや資格取得のための支援を行いましょう。
- 3. 多文化共生の推進:
- 日本人社員と外国籍社員がお互いの文化を理解し、尊重し合える職場環境を構築することが、定着の鍵となります。
- 社内イベントや交流会などを通じて、コミュニケーションを促進しましょう。
まとめ:外国籍人材採用は企業の成長戦略
外国籍人材の雇用は、単なる人手不足の解消にとどまらず、企業の多様性を高め、新たな視点やイノベーションを生み出すきっかけとなります。
確かに日本人材の採用とは異なる知識や手続きが必要ですが、一つずつステップを踏んで進めれば、決して難しいことではありません。
キャリアフライジャパンでは、中小企業の皆様が安心して外国人材を採用できるよう、採用計画から在留資格申請、入社後の定着サポートまで、一貫した支援を提供しています。外国籍人材の採用をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
貴社の未来を拓くパートナーとして、全力でサポートさせていただきます。